【親名義の不動産収入を子供がどうする?】と【不動産業と消費税簡易課税】と【転職した年度の年末調整・確定申告】と【年末調整を会社でしてほしくない場合】

親名義の不動産に関する収入を子供としてどう扱えばいいのか?

30代~40代の人におおい質問です。

<以下が典型的なケース>

田舎の親には親名義の貸家があって、毎年多くはないけれど賃貸収入がある。

よくわからないまま毎年確定申告をして、税金もそれなりに払っている。

もらえるべき親の年金が減っているような気もしてて、子供としてうまい方法がないかを考えている。

 

<まず大前提として・・・>

当然のことですが、不動産賃貸収入は所有者の利益になります。よって、このままの状態であれば不動産所得は親の収入になるより他はありません。

<では、どうするか・・・>

①親→子へ不動産を売却する。

自由に価格を設定していいというわけではありません。基本は時価での売却です。そして売却なので、キャッシュも移動させなければなりません。そして、親所有の物件に含み益があるような場合はその年は譲渡所得の計算が必要になります。つまり含み益に対して20%~30%の税金を徴収されます。時価が低いような場合には、この手もアリです。

②不動産管理業務を子が行う。

子が個人事業として、もしくは、法人を設立して、不動産管理会社を営む方法です。親の物件の管理を行うことで、管理料として親の収益の一部を吸い上げる方法です。ただ、不動産管理料にも相場があり、平均すると3%~7%ぐらいが多いように思います。そう考えると、親の収益を吸い上げるといっても、この程度のパーセンテージです。正直なところ、金額的な効果は多くは見込めません。

③サブリースを行う。

いわゆる又貸しといわれるものですね。親の物件を子が賃借し、子が第三者に転貸するということです。子は間でサヤ抜きをするわけですが、この方法のほうが②に比べると利幅は大きくなります。しかし親子といえども、きっちりとした契約を交わし、修繕負担を誰が行うか等、社会通念上の範囲での細やかな設定が必要になるでしょう。

 

どれをとるかは、ケースバイケースです。

ただ、①の選択がとれない場合は③が多いように感じますね。

 

 

 

不動産賃貸業では消費税簡易課税が有利かどうか?

不動産賃貸業を行っている個人や法人の方は消費税計算において、簡易課税を選択すべきか原則課税を選択すべきか、という論点があります。

結論は、大規模修繕や建物購入がどの程度あるかで変わってきます。

そもそも・・・・・・

原則課税とは、

不動産収入の8%から経費の8%を控除して、その差額を国に納付します。このときに、建物購入をしたり大規模修繕をしたりするとその金額の8%も経費として認められるのです。なので、場合によっては消費税を払わずに、戻ってくることもあります。

簡易課税とは、

経費の8%を一切考えない方法です。単純に<不動産収入の50%>の8%を払うのみです。大規模修繕をしようが建物を購入しようが関係ないわけです。

そうです、つまり結論は収入の50%を超えるような大きな支出を行うかどうかですべてが決まるのです。

 

しかし、問題があります。
簡易課税は自由に毎年操れるものではありません。

年度が始まる前に届出が必要ですし、いったんはじめると2年間は簡易課税のままでい続ける必要があるのです。

だからこそ、不動産賃貸業において最も重視すべきは、大規模支出の計画性です。
せめて向こう5年の計画がなければ、正確なタックスプランニングができないのです。

話は簡単ではありませんね。

 

 

 

転職した年の年末調整と確定申告の処理はどうすればいいか?

最近受ける質問に、1年の途中で転職した場合、年末調整だけでは対応できずに確定申告も必要になるのでしょうか?

☆12月の時点で2社で並行して働いているような場合は確定申告が必要になりますが、

A社で働いててB社に転職して12月末日を迎えた場合、年末調整だけで事足ります。勤務はかぶってないですからね。

乙欄だろうが甲欄だろうが関係ありません。確定申告は不要です。

その場合には、前職の源泉徴収表を出すだけでOKです。

新しい勤務先の中には<それは確定申告してください>というようなところもあるようですが、それは無知か、手間がかかるからと思っているか、のどちらかだと思います。

 

また、主婦の方や学生やフリーターの方が、1年間の総所得を気にするケースがよくあります。

おそらく、誰かの扶養に入っているので、その枠を超えたくないからだと思うのですが、この場合には、

1月から12月の総所得で103万円を超えているかどうかの判定をしたりします。

 

つまり、1月から12月の間なので、前の勤務先だろうが今の勤務先だろうが、複数の勤務先だろうが、それは関係なく、1月から12月に給与としてもらった金額の合計全部を合算して判定するのです。。

 

 

 

 

年末調整をこそっと自分だけで終えたい場合

お勤め人の皆さんも最近は、こそっと副業したり、不動産買ったり、別で会社を作ってみたりと、あまり勤務先に知られたくないような控除スタイルになっている場合もあります。

その関係からか、年末調整の資料を会社に渡したくないという相談をよく受けます。

<結論は2つ>

①年末調整時には控除関係の書類をほどんど出さずに全てを確定申告で行う。

②年末調整時には全部出せるものを出す。年末調整で完了させて確定申告は行わない。

③年末調整時には一部出せるものを出す。残りは確定申告で保管する。

当たり前の話かもしれませんが、この①②③で税金額に違いはありません。

年末調整とはざっくりいうと、勤め人全員に確定申告させるのは酷だし、税務署側のマンパワーも足りなくなるので、だったら、確定申告の前に勤め先が責任を持ってみんなの確定申告<所得税の精算のこと>を行ってくださいよ、というものです。

これが年末調整です。

だから、年末調整と確定申告って実は同じものと考えていいんです<一部確定申告でしかできない手続きはありますが、ざっくりいうと同じものです>

よって、、、

年末調整で書類をまったくださなかったとしても、確定申告で全部取り込みます。

年末調整で書類を一部出したとしても、その出した一部を取り込みながら残りも取り込んで結局全部を確定申告することになります。

年末調整で全ての書類を提出している場合は確定申告しても結論が一緒なので確定申告をしないだけです。でも、確定申告をやってもいいわけです。結論はおなじだけれど、ということですね。

 

だから、確定申告を絶対するんだという人は、年末調整のときには出したい書類だけ出せばいいですし、会社には何も出したくないんだったら、何も出さないでOKです。

 

年末調整は自分の都合でやっちゃいましょう。